クラウドとAIを愛する関西SEの備忘録

クラウドからAIにシフトしているこの頃を備忘録として残しています。

「生成AI時代のソフトウェア開発」を読んで感じた、期待と内容のギャップ!

「生成AI時代のソフトウェア開発」を読んで感じた、期待と内容のギャップ

「生成AI時代のソフトウェア開発」という魅力的なタイトルに惹かれ、ネットで購入した一冊。しかし、目次を眺め、読み進めるうちに、私が求めていた内容とは少々異なる方向へと進んでいることに気づきました。今回は、この本を読んで感じた率直な感想をブログ記事としてまとめたいと思います。

 

IDEベースの開発ツール評価への疑問

まず、私が特に疑問を感じたのは、IDEベースの開発ツールの紹介と評価についてです。本書では、特定の指示を与えた際の各ツールの結果を比較していますが、どうにもその評価方法に違和感を覚えました。

「そのツール独自のコンテキスト設定をしないで評価をしている」これが、私の正直な感想です。各IDEにはそれぞれ独自のコンテキスト設定やモデルがあり、それらを適切に設定せずに一律の指示で評価するのは、ツールの真の性能を測っているとは言えないのではないでしょうか。あたかもIDEの評価をしているようで、実際にはIDEに組み込まれたAIモデルの評価に終始しているように感じられました。ブラウザベースのGPTやGeminiも同様の評価対象となっていましたが、これらのツールの特性を十分に考慮した上での評価とは言い難く、読み始めてすぐに「この本は、IDEを正しく評価しているのではないかな感じました。

AIというよりも、AIが組み込まれた製品・サービスの紹介中心

バグ検出、自動テストと章は続きますが、ここでも「生成AI時代のソフトウェア開発」というよりは、AIが組み込まれた既存の製品やサービスの紹介が中心という印象を受けました。もちろん、それらのツールがAIを活用していることは間違いありませんが、読者が期待するのは、もっと踏み込んだAIの活用事例や、AIがどのように開発プロセス全体を変革していくのかという深掘りした内容ではないでしょうか。

最後の章に感じた「?」。そして、見えてきた提言

最後の章では、成功した導入事例がいくつか紹介されています。しかし、その後のまとめ「生成AIを活用したソフトウェアの未来について」の記述には、さらに「?」が浮かびました。
「AIで置き換えられない仕事の紹介(ATMが普及しても窓口業務はなくならないなどの事例)やエレベータ運転士(日本だとエレベータガール)は、時代と共に亡くなったとか。よくわからない例が並びます。」
なぜここで、これらの例が挙げられるのか、読者としては理解に苦しむ部分でした。生成AIがもたらす未来を語る上で、もう少し直接的に、そして建設的な議論が期待されるところです。しかし、その後に続く提言には、納得できる部分もありました。

「これからのAI時代に必要なのは、プランニングとアーキテクチャ、レビューと品質管理、コラボレーションとコミュニケーションだ」
そして、「これからはAIツールを常に最新のツールを把握しておくべきだ」という内容です。この点に関しては、私も同意見です。AIが進化する現代において、単なるコード生成に留まらず、より上位の概念であるプランニング(プロジェクト計画)やアーキテクチャ設計、そして人間による品質管理とチーム内の円滑なコミュニケーションの重要性が増していくでしょう。また、日々劇的な進化するAIツールを把握し、適切に活用していくことは、これからのソフトウェア開発者にとって不可欠な意識であることは間違いありません。

まとめ:AIツール紹介されている本

最終的にこの本を読んでの感想は、ソフトウェア開発で利用できる様々なツールの紹介と、そのツールの最新情報を把握することの重要性を改めて認識させてくれた、という点に集約されるかと思います。
期待していたような、生成AIがソフトウェア開発の全工程を根本的に変革する具体的な方法論や、その深掘りした考察は少なかったものの、現状のAIを活用したツール群を知る上では、一定の価値がある一冊だと言えるでしょう。
「生成AI時代のソフトウェア開発」というタイトルが示すような、より未来志向で実践的な内容を期待していた私にとっては、若干の物足りなさを感じる読書体験となりましたが、最新の開発ツールの知識取得や比較で触れるきっかけとしては良いかもしれません。この本を読んでどのような感想を持たれるのかな。Amazonのレビュも気になります。